自分が好きなことは国境を超えて深めていく
海外旅で興味のあるテーマのひとつは建築。
といっても、建築を学んだこともないので単純に見るのが好きというだけなのですが、海外の旅をするようになってからはこの「建築」に対するものの見方や”好き”の深さがかなり変わりました。
初めてのヨーロッパ旅で行ったドイツとオーストリア。その旅を共にしていた、当時建築学科で学んでいた友人から建築様式などを説明をしてもらいながら、いろんな建物を一緒に巡っていました。その当時のわたしの興味は「ちょっと興味ある」くらいのレベルでしたが、説明をしてもらうことにより、ただ見るだけじゃない、時代背景も含めて知ることが自分の興味のツボをどんどん刺激されている感覚だったのはよく覚えています。
Àustria´04 / Jaume Meneses
オーストリアの建築家フンデルトヴァッサーが設計したフンデルトヴァッサーハウス(ウィーン)
建築っておもしろいなあと興味が膨らんだのはこれを見てから。曲線のお家。(人はちゃんと住んでます)
旅先で建築を見る度に興味の種がちょっとずつ大きくなっていたのが分かっていたので、次に取った行動は「いろんな種類の建築を見ること」。もちろん日本国内でも様々なものは見られますが、世界に出るとと日本ではまず見られない多種多様な建築物に出会えることが何より楽しく、本当に感動的で心が震えるような出会いもたくさんありました。世界的に有名な建築家の名前さえ知らなかった知識不足すぎる当時のわたしでしたが、ヨーロッパで数多くの建築を見ることでわかったのは、その中でも自分の琴線に触れるような好きな建築物がある、ということ。
なぜそれを好きだと思ったのか?
好きな建築に出会えたら、いつもこんな問いを自分に投げかけていた気がします。
好きなものには必ず理由がある。だからその理由を探ってみる。
ただ単に「きれいだった」「よかった」だけで終わらせないこと。
建築で言えば、写真がきれいな写真集もたくさんあるし、今ではネットで写真や動画までも簡単に見ることができますが、やっぱり実際そこに立って体験してみるのは全く違いました。建物に入る光、空気、建物の質感、そこにいる時の自分の心地よさなど、五感で感じたその体験と記憶を今でも大事にしています。
小さくても興味のある分野を海外で体験してみることは、自分の興味を更に深められるキッカケになります。例えば建築という同じカテゴリーだとしても、数、そして建築家など様々な幅でものを見ることで、小さかった興味はどんどん大きくなり、さらにその中の好きな分野がよりシャープになることは、10年以上旅を続けていて本当に実感するところ。今でも新しい街へ旅に出かける時は事前にその街の建築物を調べて、郊外でも足を伸ばして見にいくようにしています。(建築好きなただの素人ですが、そういう場所へ行くと、見に来ているのは現役建築家や建築を学ぶ学生だけだった…なんてことも何度かありました。笑)
自分の好きなことを国境の概念を取っ払って深めていくことは、旅だけじゃなくて普段の生活にも影響が。生活がどんどん自分好みに変わっていくような感じでしょうか。
好みに出会うためには、やはりいろいろと体験することが何より大事な気がします。国境を超えて異質なものに触れると、自分の感覚がどんどんシャープになるので、好みまでどんどんクリアになっていく。
自分の興味に目を向けてみる、そして好きなことは国境を超えて体験の場を作り続ける。するといつしか本当の自分の好みに気づけるのではないかなと思います。
世界を舞台に自分の好みを深めていくことは、やっぱりたのしい。