ベトナムの長距離バスと高く積み上がるランブータン
海外の旅はよく行くけれど、ヨーロッパが多かったこともあって、移動に長距離バスを使うことって意外と少なかったな、と今回ベトナムの海沿いの町ムイネーに行くことになって気づいたのでした。
ホーチミンからムイネーまでの行き方
今回ホーチミンから250キロほど離れたムイネーという町に行くのに使ったのは長距離バス。もう、ホーチミンから出発するときに心はムイネーに飛んでいたのですが、このバスに乗り込んだらかなり初めてのことがたくさんあっておもしろかったので、ムイネーへの移動編ということでバスのことを。
ベトナムは南北に長い国なのですが、列車がですね…路線が限られてて(&時間がかかる)ので、便利じゃないんです。そんなわけで発達しているのがバス。ローカルの人も地元に帰るのに何時間もバスに乗って帰るというのはよくあることのようです。
ベトナム長距離バスのお作法
「ムイネーへはバスで片道5時間くらいかかる」としか聞いていなかったので、正直バス乗り場に行くまでどんなバスで行くか全然分からなかったのですが、到着してみたら、こんな大型バスでした。おお、何だかちゃんとしてるし、快適そうな気配もする!というのが第一印象。
そうして乗り込んで一歩目、乗務員のお兄ちゃんに「靴を脱いで」と言われ靴を入れるビニール袋を渡されます。
え、靴、ここで脱ぐんですか・・!
ベトナムの長距離バスによくあるようなのですが、車内は靴を脱いで上がります(なんだか日本的でよいねこれ。)
そして兄さんに言われるがまま指定された座席に移動してみると2つ目の驚き。
座席が2段!ドミトリーを彷彿とさせるような、見事な2段シート。
そして着席してみて気付いた。座席のリクライニング、すごい倒れる…!(いや、強制的に倒れてると言った方がいいのかもしれない(笑))
そして足が入れられるように座席前方にスペースがあるのですが、身長160センチのわたしが足をまっすぐ伸ばせるくらいのスペースがありました。これは、すごい快適。(男性だとちょっと手狭のようですが)
これ、寝台バスでした。午後発の便だったのですが、長距離で寝台仕様だと、移動がかなり楽でした。最終的に5時間くらいかかりましたが、途中普通に寝てました(みんな寝てた)。もう、強制的にリクライニングされて寝そべるしかないので、もう自然と寝る体制に(笑)
さぞかし大変な移動になるのかな、と思ってたこともあって、このベトナムの寝台バスの快適さはびっくり。寝台バスかどうかだけきちんと確認すれば、ベトナムのバス移動の旅、個人的にはありです。
バスの中は観光客ばかりかと思いきや、ベトナムの人も結構乗っていて、バスの荷物入れにバイクを載せている人もいたりで、日常的にローカルの人も活用している様子。
ちなみに、ムイネーまでの5時間の移動中、1度だけトイレ休憩があります。
ホーチミンから出発してから2時間くらいで止まるのですが、まあアナウンスはありません。添乗員のお兄ちゃんが時折しゃべっても、オールベトナム語。そしてベトナム版パーキングエリアな場所で止まり、ドライバーは食事をしたりしていました。
でもね、いつ出発するか分からないんですよね。ああ、ベトナムらしい^^;
(でも、これがじわじわと楽しくなってくる)
とりあえずトイレを済ませ、お店をひと通り見たらバスの乗車口が見えるところにいましたが、どうやら出発するよーの合図はクラクションらしい。ゆるい、実にゆるい。休憩は15分くらいだったかなあ。乗客のみなさんもごはん食べたり、果物買ったり食べたり、思い思いの休憩時間。
「休憩は●●分で、出発は●時●分です」ときちんとアナウンスされる日本のそれとは真逆だけど、これはベトナムらしくておもしろいなあ、と思った瞬間でもありました。
さ、あとは降りるだけ。バスの降車場所はホテルの前と聞いていたのですが、到着20分くらい前になって、なんとなくこのままだと希望の場所で降ろしてくれない気がすると察知して、添乗員の兄さんに必死に住所をアピール。無事に降ろしてくれたのですが、たぶん、あれ、主張してなかったら降ろしてくれなかった気がする^^;降車場所はアピールすべし、という学びを得たのでした。
ローカルの移動手段って、その国の個性があらわれる気がする。客人として丁寧におもてなしされるんじゃなくて、戸惑いながらも習慣が違う中に飛び込んでみると、新しい発見があるし何より楽しい。そんなことを思ったひさびさの長距離バス。
(番外編)
パーキングエリアにあった果物屋さん。今はシーズンということもあり、ランブータンとマンゴスチン、あとはドリアンがたくさんありました。ランブータン(写真真ん中)のイガイガを生かすと、こんなに高く積み上がるというこのディスプレイ、すごいツボ。
武谷朋子(タケタニトモコ)